「小児の予防接種 入園・入学時に総点検」

投稿日:2014年4月10日|カテゴリ:医療コラム

4月の入園・入学で新たに集団生活を始める子どもが感染症にかかる例が増えます。予防接種は新しいタイプのものに切り替わったり、新たに接種が必要になったものも多いうえ年齢によって接種の仕方や回数も異なるためうっかり忘れている恐れもあります。

様々な予防接種をいつ実施すれば良いかは母子手帳に示してありますが、今は過渡期で生まれた年によって掲載内容がことなります。予防接種について疑問や不安があったらかかりつけ医と相談するようにするといいでしょう。

【入園・入学前に総点検】
大手製薬会社が行った調査によると子どもが保育園や幼稚園に入園したあと病院を受診した回数は入園まえの1.6倍に増えていました。その原因は保 育園や幼稚園で他の子どもと集団生活をするようになり病気の原因となる最近やウィルスをうつし合ってしまうためです。中には発症すると重症化するものもあ るため予防としてワクチン接種は効果的です。

【0歳から5~6歳までに受ける予防接種の例】
・任意接種
B型肝炎|ロタウイルス|おたふくかぜ|水痘|A型肝炎|インフルエンザ

・定期接種
インフルエンザ菌b型|4種混合(3種混合+不活性ポリオ単独)|BCG|MR(麻疹・風疹混合)|日本脳炎

【特に注意したい予防接種】
<肺炎球菌ワクチン>
肺炎球菌は早期に発見・治療しても重症化する事がある細菌性髄膜炎の原因菌の1つです。従来は7種類の菌を含む7価というタイプでしたが、2013年11から13種類の菌を含む13価というタイプに切り替わりました。厚生労働省の調べによると13年に肺炎球菌で重症化した小児の原因菌を調べたところ約半分は13価で防げる菌でした。

4月に入園・入学した子どもの多くは従来タイプのワクチンを計4回接種していますが、6歳未満の子供は追加で13価のワクチンを接種すればより高 い効果が見込めます。初期診断の難しい病気なので追加の接種がとても有効です。ただし追加接種は任意扱いとなり1万円前後の自己負担となります。自治体に よっては一部助成金が出るので問い合わせてみるといいでしょう。

<ポリオワクチン>
国内ではポリオウィルスによる小児まひの流行はみられませんが、アフリカや南アジアの一部で流行が続いており日本に持ち込まれる危険は常にあるのでしっかり接種する事が大切です。

12年9月より安全の高い不活性ワクチンに切り替わり4回接種が原則となりました。厚生労働省は標準的なスケジュールとして生後3~12カ月まで に3回、3回目接種から12~18カ月あけて4回目を接種する事を推奨していますが4回目の接種を忘れないように注意が必要です。

<水ぼうそう>
これまで任意でしたが今年10月から定期接種になります。1歳を過ぎたら早期に1回目を接種し2回目の接種を1回目から3カ月以上あけて2歳未満に接種する事が望ましいです。