「あなたの副腎疲れてない?」

投稿日:2014年2月12日|カテゴリ:医療コラム

ストレスなどから体を守るホルモンを出すのが副腎です。
左右の副腎の上にある小さな臓器ですが、生命維持に不可欠な役割を持ちます。
ホルモンの分泌量が大きく増減すると、高血圧や体重減少など多くの体調変化を招く恐れがあります。
副腎の機能低下は慢性的な疲労感につながる例もあるので、副腎の基礎知識を知っておきましょう。

【副腎とは】
副腎は直径5センチメートル前後の大きさで、重さは5グラム程度。
2つあるので、病気などで片方を摘出しても基本的には問題ない。
肝臓や心臓など他の臓器に比べると目立たないが、その働きは重要。
副腎は腎臓の機能を助けるのではなく、主に5種類のホルモンを製造、分泌している。
体内では下垂体や甲状腺、肝臓などもホルモンを分泌しているが、腎臓は日常生活を送るのに欠かせないホルモンを出す。

【副腎による病気】
副腎のうち周辺の皮膚という部分から分泌されるのはステロイドホルモン。その代表であるコルチゾールはストレスから自分の体を守るのに必須だ。ストレスを受けた時に分泌して血液中に放出し、体内に行き渡る。
コルチゾールの過剰分泌でなる副腎の病気にクッシング症候群がある。
副腎や脳下垂体の腫瘍が原因。
人によって症状が違い、顔のむくみや紅潮、ニキビ、腹部の肥満などの症状がみられる。
高血圧や糖尿病、骨粗鬆症などになる恐れがある。
さまざまな病気になる恐れがある副腎だが、最近では「副腎自体が疲労する」という考えも出てきた。
精神的ストレスの積み重ねによる慢性的な疲労感や体調不良、性欲の減退、朝に起きられないなどの症状が当てはまるという。

【日常生活で注意すること】
●十分な睡眠
不規則な生活を見直し、十分な休息や睡眠をとる。
特に疲労感が強い時間帯に休む。
●食生活の見直し
副腎が疲れると不足しがちなビタミンCなどを多めに摂取する。
1回の食事に炭水化物、脂肪、タンパク質を取り入れ、バランスをとるのが理想。
カルシウム、ミネラルなどの栄養素も症状の改善によい。

—副腎の主な病気—
■クッシング症候群
高血圧、体重増加、骨粗鬆症、顔のむくみ
■原発性アルドステロン症
血中のカリウム低下、高血圧、糖尿病、ナトリウム増加
■褐色細胞腫
高血圧、頭痛、動悸、高血圧、発汗
■アジソン病
全身の倦怠感、筋肉低下、低血圧、食欲不振