「心臓の動悸にご用心」と「入浴 血圧の上昇に注意」

投稿日:2013年11月8日|カテゴリ:医療コラム

【動悸とは】
心臓の鼓動がいつもと異なることを感じて不快に思うことを指します。「心臓が一瞬止まる」「脈が飛ぶ」ように感じることも多いです。心臓は一定の リズムで収縮と拡張を繰り返しているが、このリズムが崩れて不整脈になると、脈が速くなったり遅くなったり、不規則になったりします。

【動悸の原因】
動悸は健康な人でも起き7~8割はあまり問題のないケースです。

◯運動、会議などでの緊張◯飲酒、喫煙、発熱
◯鉄分不足などによる貧血◯過労、寝不足
◯妊娠、更年期◯心房細動や狭心症などの心臓病
◯甲状腺の機能異常◯起立性調節機能
◯糖尿病や喘息などの治療薬の副作用
◯気管支に持病がある場合○パニック障害 など

【注意が必要な動悸】
7~8割はあまり問題のないケースですが中には注意が必要な動悸もあります。緊張するような場面ではないのに頻繁におきたり息切れや胸の痛み、めまい、吐き気などを伴ったりする場合は心臓の病気が隠れている場合があります。
◯高齢者の不整脈に多い心房細動は長く続くと血栓ができ脳梗塞につながりやすい。
◯動悸とともに胸の圧迫感や息苦しさを感じるときは狭心症の恐れがある。動脈硬化によって血液が流れにくくなったり血管が詰まったりするのが原因。
◯体がむくむといった症状を伴うときは心臓弁膜症や心筋症が隠れていることがある。

【動悸の予防】
動悸の原因を知る手がかりは心電図を測るのが一番ですがそれが難しい場合には脈拍も役立ちます。測る際には(1)全身を楽な姿勢にする(2)手の ひらを上に向ける(3)手首の親指の付け根あたりにもう一方の手の人差し指、中指、薬指を添えて脈を測ります。日頃の脈拍と比べて脈の動きが速いか、突然 脈拍が飛ぶかなど気をつけて測ります。家庭用の血圧計や脈拍計を使うのもいいでしょう。

動悸は原因がさまざまなので予防は難しいですが日頃から適度に運動をする習慣をつけておくのがいいといいます。運動には心肺機能を強くする効果が あり生活習慣病の予防にもつながります。体が楽に感じる程度から少しきついと感じる程度の運動がひとつの目安になります。心疾患や高血圧の人、高齢者は医 師に相談して無理の無い運動をするようにしましょう。

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【入浴 血圧の急上昇に注意を】
浴室の内と外で温度差が激しくなる冬は入浴時に血圧が乱高下してしまいます。血圧の急上昇で血管が破れ、脳出血などにつながる恐れもあるため高齢者や動脈硬化の症状がある人は注意が必要になります。

【入浴を安全に楽しむためには】
◯お風呂に入る前にコップ1~2杯の水分補給をすすめます。脱衣場もあらかじめストーブなどで暖めておきましょう。
◯いきなり湯に入ると血圧が急上昇してしまいます。手足に湯をかけて体を慣らし最後に体の中心部に湯をかけましょう。
◯湯の温度は40度までがおすすめです。42度以上になると交感神経が強く働いて興奮状態になります。血圧が上がり、脈も速くなり、筋肉が強ばります。高齢者には好ましくない状態です。
◯入浴時間の目安は42度で5分、38度で20分程度です。
◯湯船から出るときはゆっくり立ち上がりましょう。立った際に水圧がなくなり血液が下半身に下り、頭に血液がまわらず、脳貧血がおきます。頭がくらっとしたら頭の位置を低くし血の巡りを良くします。