「熱中症にご用心」

投稿日:2013年7月6日|カテゴリ:医療コラム

各地で蒸し暑い日が続く中、熱中症で病院に運ばれる人も増えている。熱中症のピークは毎年7〜8月で特に梅雨が明けて急に暑くなる日や猛暑が危険になる。国も今年から7月を「熱中症予防強化月間」と決め注意を呼びかけている。

【熱中症の原因】
高温多湿な環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなったりして発症する。

【熱中症の症状】
体温が上がり、めまいや大量の汗、頭痛、吐き気、体のだるさを引き起こす。重症の場合は呼びかけても反応がおかしかったり、けいれんを起こしたりして死亡することもある。

【熱中症の予防】
患者の約半数は65歳以上。これは高齢者の暑さや水分不足に対する感覚が若い人より低く体の調節機能が低下しているため。18〜65歳未満の患者も約3分の1を占め小中学生や体温調節機能が未発達な乳幼児も注意が必要になる。
高齢者は家庭で、成人は仕事などの作業中、若者は運動中、乳幼児は車内での発症が多くなるので年代に合わせた予防策も必要になる。

◯全般的な注意
こまめに水分を補給する。(汗で塩分が出てしまうのでスポーツドリンクや食塩を少し入れた水がいい)
食事で水分や塩分、栄養をしっかり取る。
涼しい服装を心がける。
風通しをよくし、エアコンをうまく活用する。
適度に休憩を取る。
具合が悪くなったら早めに対応。
外出する際は直射日光を避け、体調が悪いときは無理をしない。

環境省では熱中症予防情報サイトを開設。(http://www.wbgt.env.go.jp/)
気温や湿度、放射熱をもとに「ほぼ安全」から「危険」まで5段階で「暑さ指数」を公表しているのでお出かけの際などの参考になる。

◯高齢者への注意
部屋の温度を測り温度変化を認識する。
暑さに慣れるために1日1回は外に出る。
外出時は緊急時の連絡先を携帯する。
暑いときは無理をしない。
のどが乾かなくても水分を補給する。

◯乳幼児(保護者)への注意
子供の変化に敏感になる。
外出時は照り返しに注意する。
日頃から暑さに慣れさせる。
車内に子供を置き去りにしない。

◯運動する人への注意
直射日光の下で、長時間の活動はさける。
体を熱さに慣らしてから運動する。
個人差や体調を考慮する。

【熱中症になったときの対処】
熱中症かなと思ったら早めの対処が重要。
涼しい場所に移って体を冷やし、水分や塩分を取る。自分で補給することが不可能なくらい体がだるいときはすぐに医療機関を受診する。
意識を失ったり、けいれんを起こしたりした場合は救急車を呼んでもらい、周囲の人は首やわきのした、足のつけ根などを氷で冷やす。その際「暑い環境で元気だった人が突然倒れた」などと医師や救急隊員に伝えれば適切な治療につながる。