急性膵 炎・飲み過ぎが引き金

投稿日:2013年2月24日|カテゴリ:医療コラム

そろそろ春の人事異動の時期がやってきます。
送別会や歓迎会でお酒を飲む機会が増えそうですが、気をつけたいのはアルコールの過剰摂取です。
大量に飲酒した翌日などに、激しい痛みを伴う急性膵炎(膵炎)を起こす恐れがあり、重症化した場合、死に至る事もあります。

【急性膵炎とはどんな病気】
膵臓は、蛋白分解酵素をはじめとして、食べ物を消化・分解するいろいろな酵素を生成・分泌しています。
膵臓(すいぞう)に急性の炎症がおこる病気で、膵臓でつくられている不活性型として存在する消化酵素(しょうかこうそ)が、いろいろな原因で膵臓内で活性化され、膵臓自身を消化してしまい、膵臓やその他の主要な臓器に炎症と障害が引き起こされる病気です。

【急性膵炎の症状】
みぞおちから上腹部の痛み
背中の痛み
吐き気・嘔吐(おうと)、腹部の膨満感
発熱
意識障害

【急性膵炎の原因】
最も多いのはアルコールの過剰摂取
胆石

【急性膵炎の検査法と診断】
上腹部の腹痛の症状と、血液や尿、腹水(ふくすい)などの検査から、膵炎と診断されます。
重症膵炎の診断は、ショック、呼吸困難、神経症状、重症の感染症、出血傾向などの症状、および血液検査の成績の異常度、CTスキャンなどの画像診断所見などから判断します。

【急性膵炎の治療法】
軽症の急性膵炎では、補液を行ない、絶飲絶食にして膵臓を安静にする事で特に後遺症もなく治癒します。食事や飲水は膵炎を悪化させるので厳密な絶飲絶食が必要です。
重症膵炎では、集中治療室(ICU)での全身管理が必要になることもあり、膵臓の安静をはかり、抗生剤治療を行ない、輸液を管理するなど、基本的には内科的な全身管理が主体となります。

【急性膵炎の日常生活の注意点】
アルコールを取りすぎない
バランスの良い食事を心がける
ストレスをためない

日本消化器病学会HP 急性膵炎
http://www.jsge.or.jp/cgi-bin/yohgo/index.cgi?type=50on&pk=D27