心臓弁膜症

投稿日:2012年10月26日|カテゴリ:医療コラム

高齢による動脈硬化などが原因で心臓の弁に異常が起き、血液が逆流したり、流れにくくなったりする病気が心臓弁膜症です。
人工弁に置き換える手術が一般的で、この10年間で手術件数は約2倍に増えていますが、最近は患者の負担が少ない治療法の研究が進んできています。

【心臓弁膜症とは】
■心臓は4つの部屋に分かれており、その扉となる弁が血液の逆流を防いでいるが、この弁に異常が起きるのが弁膜症。
■潜在的な患者数は200万~300万人に達するといわれている。
■左心房と左心室の間の「僧帽弁」と、左心室と大動脈の間にある「大動脈弁」に異常が起こるケースが全体の95%を占める。
■異常のタイプ
・狭窄
弁の開きが悪くなり、血液が部屋からスムースに出なくなる
・閉鎖不全
弁がうまく閉じなくなって、押し出した血液が逆流してしまう
■血液がスムースに流れないことで心臓が必要以上に動こうとして負担がかかるため肥大
→固くなる→心筋が弱る→血流が滞る→肺に水がたまる

【心臓弁膜症の症状】
■息切れ、めまい、胸が痛くなるなどの症状が出現。
■ひどくなると失神や心不全などが起こる。
■少しずつ悪くなるため、自覚症状がないまま悪化しやすい。

【発症原因】
■年齢を重ねて動脈硬化が起こり、弁に異常が現れるケースが最も多い。

【治療法】
■症状が軽い場合は薬で心臓の負担を軽減できるが、弁そのものの修復には手術が必要。
■手術法は大きく分けて「弁を修復する方法」と「人工弁に取り替える方法」の2つがあり、患者の症状などにより選択。

【切らない手術法の研究】
最近では、切る範囲が小さい手術も徐々に増えているほか、胸を切らない手術法の研究も活発化している。
<経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)>
カテーテルという細い管を足の付け根などから血管内に入れ、小さく折り畳んだ弁を患部で広げて取り付ける方法。
海外では既に実用化され、体力の弱い高齢者などに実施。
国内でも治験等の2つのプロジェクトが進行中。

自覚症状に乏しい心臓弁膜症は、調子がおかしいと初めて受診した時には、すでに心不全になっている人が多い。
また、普段から階段の上り下りや運動を避ける高齢者は、病気に気付きにくいことが多い。
中高年になったら定期的に医療機関で聴診や心エコー(超音波)検査を受けることが大切。