こむら返り

投稿日:2012年7月30日|カテゴリ:医療コラム

運動時や睡眠中に足のふくらはぎが強い痛みとともに痙攣を起こす「こむら返り」。
原因は様々ですが、汗をかく夏場は水分不足などでおきやすいといわれています。
頻繁に起こり長期間に続く場合は、病気などが原因のこともありますので、一度診察を受けることをおすすめします。

<考えられる原因>
●運動不足の人が急な運動をした場合
●脱水状態、熱中症
●カリウムやナトリウム、マグネシウムなど電解質のバランスの崩れ
●冷え(夏は冷房で起こることもある)
●腎不全や透析をしている患者
●下肢静脈瘤、肝硬変、糖尿病など
●妊娠中の場合

<下肢静脈瘤とこむら返り>
●こむら返りを起こす病気の1つ。ありふれた病気で高齢者と女性に多い。
●タイプは2種類
・血管が網の目状に浮き出るタイプ
・こぶ状に膨らむタイプがあり→こむら返り、足が疲れる、だるいなどの症状が出る場合がある。
●症状が頻繁で何ヶ月も続く場合は、血管外科や下肢静脈瘤の専門医を受診するとよい。
●治療は30分程度のレーザー治療で、日帰りが可能(昨年より保険適用)

<睡眠中のこむら返り>
●寝ている時は、足のつま先が外側へ伸び、ふくらはぎの筋肉は逆に縮むため痙攣が起こりやすい。
●中高年に多く、足の指や太ももに起こる場合もある。
●夜中に1回以上起き、長期間に続く人は睡眠の質が低下したり、他の病気や治療薬が原因だったりする場合もあるので、我慢せずに診察を受ける。

<起きた時の対処法>
●つま先を手前に引き、ふくらはぎの筋肉を伸ばす。

<予防策>
●入浴して血行をよくし、寝る前にストレッチしたり、ふくらはぎをマッサージしたりする。
●カリウムの補給
緑黄色野菜やバナナなどの果物を多めに摂る。
●運動前はこむらを伸ばす準備運動をする。また、前日にお酒を飲み過ぎて脱水状態にならないように注意。

<漢方による治療>
●治療には漢方薬を使うケースもあり、代表的なものは「芍薬甘草湯」。
・服用すると、通常は2,3分で、早い人は1分以内でおさまる。
・妊娠中でも使えて、ほとんどの人が問題なく服用できる。
※飲み続けると、まれに足のむくみ、血圧上昇、血中カリウムの低下など起きる場合あり。
●高齢者のこむら返りには「八味地黄丸」も適している。

こむら返りは、一時的な糖分の取りすぎで起こることもあり、運動不足や偏った食事など生活が乱れているサインかもしれませんので、一度、自分の生活を見直すとよいかもしれません。