うつの予防策、食の改善も一手

投稿日:2012年5月9日|カテゴリ:医療コラム

新年度が始まって約一ヶ月。職場や学校で新しい環境になじめず、気がめいっている人もいるのではないでしょうか。

これまでは、うつ対策として、職場環境などの改善、十分な休息、ストレスを感じないような気の持ちよう、投薬が代表的でしたが、この他に食生活を見直すことも悪化を遅らせたり予防したりする効果が期待できることがわかってきました。

 

■ うつの予防に役立つ可能性のある食事や飲み物の例

【 葉酸などビタミンB群を含む食品 】
ほうれん草のおひたし、枝豆、ゆでアスパラ、白米よりも玄米入りご飯、など。
葉酸はほうれん草やブロッコリー、アボカドなどの緑色野菜に多く含まれます。煮たりゆでたりすると、かさが減って多くとりやすい。調理で栄養分が多少抜けても気にする必要はありません。

【 n-3系多価不飽和脂肪酸を含む食品 】
サンマの塩焼き、ブリの刺し身、イワシのかば焼き、など。
n-3系多価不飽和脂肪酸は青魚の脂などに含まれ、神経に栄養を与えて働きをよくします。魚は週に2〜3回は食べることをお勧めします。

【 その他 】
緑茶も予防に役立つ可能性があります。60℃ぐらいで入れると、緑茶に含まれるアミノ酸の一種で、脳内の神経伝達物質や栄養因子の生成に関係のあるテアニンが出やすくなります。

注)これらだけを食べるのではなく、肉なども含めバランスのとれた食事が大切です。

 

■ 食事のパターンとうつ症状との関係

カボチャ・緑の葉野菜・豆腐・緑茶などを多くとる「健康日本食パターン」の食事が多い人ほど、うつの症状の確立が低く、パン・牛乳・アイスクリームなどを中心とした「洋風朝食パターン」だと確立が高いという報告があります。

うつの人は糖尿病などを患いやすいといいます。生活習慣病を防ぐために規則正しい生活とバランスのとれた食生活を心がければ、うつ状態に陥るのを食い止めることにもつながり一石二鳥といえます。