斜視、大人も発症

投稿日:2015年4月21日|カテゴリ:医療コラム

【斜視とは】
モノを見たときに両目が同じ方向を向いていない状態を斜視といいます。
斜視は日本人の2~3%にみられ、一般に子供の病気というイメージがあります。
しかし、いつも斜視の状態にある『恒常性斜視』に対し、普段、両目の向きは正常だが、片方の目だけが時々外側に向く『間欠性外斜視』は、目の痛みや、かすみ、充血などの症状が出る眼精疲労が原因とも考えられ、成人にも多くみられます。

【斜視の種類】
斜視とは視線が寄る方向によって種類が分類されます。
片方の目が内側による内斜視・外側による外斜視、上下いずれかによる上下斜視などがあります。
また、常に斜視の状態にあるものを恒常性斜視といい、時々斜視になるものを間欠性外斜視といいます。
どの筋肉に異常が生じるかなどで眼球が向く方向が変わります。

■外斜視(目が外を向いている)
■内斜視(目が内を向いている)
■下斜視(目が下を向いている)
■上斜視(目が上を向いている)
※斜視は、それぞれの目が別の映像を見ています。

【斜視の主な症状】
人は通常、左右それぞれの目でモノを見て、その映像を脳で処理して1つに統合しています。
このため普段は2つの目を使っていることを意識しないが、斜視は、両眼視が難しくなり、目の前にあるモノの遠近感や立体感がつかみにくくなる。
違和感を解消するため、自然と斜視がある片目を元の位置に戻そうとします。若い頃は筋力があるのでそれほど問題はないが、年をとるに従って力が弱まると、眼精疲労がたまりやすくなる。つまり、筋力の衰えで眼球が元の位置に戻せなくなり、時々だった斜視が、いつも起こるようになってしまいます。

【斜視の治療法】
まず光を正面からあてて斜視の状態を確認する検査などを実施します。
斜視と判断された場合は、矯正用のプリズム眼鏡などを検討。これはレンズにプリズムを組み込み、光を屈折させることで見え方を変える特殊な眼鏡です。
斜視の程度が大きい場合などは、手術も検討します。斜視の種類によっても手術のやり方も異なってきますが、間欠性外斜視では入院は3日程度が多く、日帰りできる例もあります。
◆プリズム処方
(メガネにプリズムを入れて光を屈折させ、斜視眼を正常眼と同じ視標が見えるようにする方法。)
◆コンタクトレンズ、メガネを使う方法
(コンタクトレンズやメガネを装用することで斜視の原因となっている遠視を矯正し、両眼で正常に見えるようにして両眼視をさせます。)
◆両眼視機能訓練
(斜視のタイプによっては、眼をよせる訓練や、両眼を使ってものを見る訓練が適応となる場合があります。)
◆手術