「認知症 レビー小体型 〜前兆に注意〜」

投稿日:2014年11月10日|カテゴリ:医療コラム

【レビー小体型認知症とは】

レビー小体型は特定のたんぱく質を主な成分とするレビー小体が、大脳皮質や脳幹などの中枢神経のほか、全身の交感神経に多数現れます。
「ごはんの上を虫が動きまわっている」といった幻視や、「男が隣の部屋からこちらをうかがい、妻を誘っている」などの妄想が現れます。
また、手足の震えなどのパーキンソン症状や認知障害のほか、寝ている間に怖い夢を見たり大声を出したり寝ぼけて起きだしたりするレム睡眠行動障害、便秘などになる場合もあります。抗うつ剤などに過敏に反応する傾向があり、ふらついて転倒や骨折の恐れも高まります。
「悪夢で目覚めるだけでなく起き上がって隣の人に暴力を振るうなどの行動を起こす」「自分の大声で起きる」などの場合は要注意です。

レビー小体型にはアルツハイマー病の病変を伴う通常型と伴わない純粋型があります。通常型の発症は70歳前後、純粋型は30〜40代で多く、純粋型は認知障害があまり現れないため、診断が難しくなっています。

【レビー小体型認知症チェックリスト】

□ 物忘れがある
□ 頭がはっきりしている時と、そうでない時の差が激しい
□ 実際にはないものが見える
□ 妄想が見られる
□ うつ的である
□ 動作が緩慢になった
□ 筋肉がこわばる
□ 小股で歩く
□ 睡眠時に異常な言動をする
□ 転倒や失神を繰り返す

上記の中、5個以上該当すればレビー小体型認知症の可能性があります。
注)簡易なチェック法であり、実際の診断はより詳細な基準に基づきます。小阪憲司・横浜市立大学名誉教授の資料による

【レビー小体型の治療】

レビー小体は消せなくても病気の進行を食い止められる可能性があります。
ドネペジルは今年9月、アルツハイマー病に加えてレビー小体型の薬としても承認されて保険適用になりました。ただ、診断をきちんとすれば治療法はあるのに、レビー小体型を知らない医師が多いのが現状です。

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レム睡眠障害が出始めた時に適切に治療すれば、それ以外の症状が現れる時期を遅らせられる可能性があります。
自分自身や家族に睡眠障害や幻視などがある場合は、専門知識のある神経内科医に診てもらいましょう。
「レビー小体型認知症家族を支える会 http://www.dlbf.jp/

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