「前立腺がん〜 相次ぎ新薬 〜」

投稿日:2014年9月29日|カテゴリ:医療コラム

【前立腺がんとは】
前立腺がんは、男性の前立腺に発生するがんの事です。男性のみに発症して放置しておくとリンパ腺や周囲の臓器に対して感染増殖を引き起こします。
50代以降患者数は多くなる事が統計上現れていて、現代は増加傾向にあります。検査については、まず血液検査で判定基準を超えた場合に追加検査となります。
切除して根治を目指したり、高齢者の場合は放射線治療による治療も行われます。

【前立腺がんの主な原因】
前立腺がんと一言で言っても、様々なタイプがあることが知られており、その原因を一言で言い表すことは非常に困難です。
あるタイプの癌の場合は、遺伝的な要因が大きいといわれているケースもあり、また別のタイプのがんにおいては、生活習慣が大きく影響すると考えられています。
そのほかにも喫煙などが影響していると考えられるタイプのがんもあります。

【前立腺がんの症状】
早期の前立腺がんには特徴的な症状はみられません。しかし、同時に存在することの多い前立腺肥大症による症状、
例えば尿が出にくい、尿の切れが悪い、排尿後すっきりしない、夜間にトイレに立つ回数が多い、我慢ができずに尿を漏らしてしまうなどがみられる場合があります。
前立腺がんが進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や骨への転移による腰痛などがみられることがあります。
腰痛などで骨の検査を受け、前立腺がんが発見されることもあります。また肺転移がきっかけとなって発見されることもあります。

【前立腺がんの治療法】
前立腺がんの治療法には様々な種類があり、患者さまそれぞれの状態を総合的に判断し、治療方法を考えていきます。医療側からは病期に沿って最適と思われる治療方法を、
患者さんおよび家族の方々に提示し、治療方法を選択していきます。十分に納得されたうえで自分にあった治療法を選択することが大事です。
前立腺癌に対して、現在行われている主な治療方法は次の通りです。

・手術療法
・放射線療法 (1)外照射 (2)小線源療法
・ホルモン療法
・無治療経過観察

【広がる治療選択肢】
「ホルモンを抑える治療が効かなくなってきたので、抗がん剤の治療に移りましょう」。
これまで症状が進んだ前立腺がん患者で標準的な方法だったこうした手順が、今後は大きく変わりそうだ。
男性ホルモンを抑える新たな製剤が使えるようになったためです。
今年に入って発売されたのは、ホルモン製剤のエンザルタミド(商品名イクスタンジ)とアビラテロン酢酸エステル(同ザイティガ)、
抗がん剤のカバジタキセル(同ジェブタナ)の3種類だ。
いずれも従来のホルモン療法では効果がなくなった「去勢抵抗性前立腺がん」に効果があるとして国の承認を得ています。

前立腺がんは転移がない場合は手術でがんを取り除いたり放射線治療をしたりする。
すでに転移している患者は、男性ホルモンを抑えてがんを小さくするホルモン療法を実施することが多い。
手術後にがんが再発した患者や高齢で手術の負担が大きい患者も同様だ。
しかし、ホルモン療法は何年か続けると効果がなくなってくる。こうした患者は抗がん剤治療に移るが、
これまで抗がん剤はドセタキセル(同タキソテール)の1種類しかなかった。

新ホルモン製剤は、男性ホルモンががん細胞で作られるのを防いだり細胞核に取り込まれるのを妨げたりして、がん細胞が増えないようにする。
従来の薬だけでは防ぎきれない男性ホルモンの働きを遮断し、がんの進行を抑える。

いずれの新薬も発売されたばかりで、組み合わせて使う場合の効果がどうなるかのデータの蓄積は少ない。
新薬の登場で広がった患者の選択肢をより生かすためにも、治療データを蓄積していくことが大切な課題となります。