「糖尿病 深刻な合併症招く恐れ」

投稿日:2014年6月30日|カテゴリ:医療コラム

糖尿病は患者とその可能性のある人を合わせると2,000万人を超える国民病です。
しかし、痛みなどの症状に直面していないからと、通院をやめ治療を中断する例も目立っています。
そのまま放置すれば静かに進行し、重症化して視力が低下したり腎臓の機能が下がったりする深刻な症状が表れます。
専門家は、「自覚症状がないだけに、患者が受診を中断するのも無理はないと考えるべきだ」と話し、医師側の認識を変える必要性を呼びかけています。

【糖尿病の主な原因】
糖尿病の大半を占める2型糖尿病の発症原因は、大きく遺伝因子と環境因子になります。
遺伝因子とは、両親や兄弟が糖尿病であるという遺伝体質のことです。
また環境因子とは、肥満、過食、高脂肪食、運動不足、ストレス、喫煙などです。これらの因子が重なって、糖尿病は発症すると考えられています。
中高年に多い一般の糖尿病は、食事の取りすぎや運動不足に遺伝的要因などが加わって発症します。

【糖尿病の症状の例】
・頻尿
・目がかすむ
・手足がしびれる
・のどの渇き
・体重が落ちてきた
・全身がだるく、疲労感 など・・

インスリンの働きなどが下がり、血糖値が高い状態が続くと、血管への影響が大きく、目の網膜や腎臓など細かい血管がある組織や、
心臓などの太い血管に異変が起こる。発症すると根本的に治すことはできず、重症になると失明、人工透析、足の切断などを余儀なくされる。

【主な治療法】
治糖尿病の治療は、主に以下の3つを組み合わせて行われます。
◆食事療法
◆運動療法
◆薬物療法
これはごく基本的なことですが、どれも重要であり、なかでも食事療法は治療の土台となります。

【糖尿病の合併症と予防法】
糖尿病の合併症には、神経障害、網膜症、腎症の三大合併症があります。
初めは全く症状がありませんが、長い間に静かに進行します。
合併症が出るまでの期間は年齢や血糖値などで、個人差が有り異なりますが、神経や目で7~8年、腎臓で15年ほどと言われています。
逆にいえば、最初のころは目立った症状がないのがこの病気の特徴です。
そういう段階でも運動や食事に気を配ることが重要にってきます。血糖値が改善しないなら、飲み薬や注射薬で血糖値を正常範囲に近づけます。
数週間~2ヶ月に1回、通院して状態を確認することが大切になり、通院していれば、血糖値が上がったタイミングよく別の治療ができる。
ところが、厚生労働省の調べによると、1年間に受診を中断する患者が8%おり、珍しくないことがわかった。
中断した人は50歳未満の働く男性に多く、「仕事が忙しい」「体調がよい」「今通わなくても大丈夫」「医療費が負担」などを理由としていた。
自覚症状がないため治ったと誤解する人や、治療の優先順位を自分で低くしてしまった人が多いとされています。
一度糖尿病と診断されたり、「血糖値が高い」といわれたなら「自分は大丈夫」と思わずに、定期的に検査を受けたり治療を続けることが何よりも大切です。
適切な生活習慣を続けることで、合併症が予防、改善され、健康な生活を継続することができます。

合併症にならないためにも、糖尿病の症状があらわれた場合、しっかりと治療に取り組みましょう。
初期には症状がない為、定期的な検査が必要です。